サラ　そんな・・・なんでリラが？

マリア　女神さまは変わってしまわれたの・・・？

リラ　わたし、殺されちゃうの？なんで・・・

サラ　リラ・・・落ち着いて。私が、絶対に女神さまを説得するわ。

マリア　どうやって！？私、もう娘を失いたくないのよ・・・！

サラ　お母さん、リラ、よく聞いて。私、旅に出る。女神さまにあって、頼むの。

リラ　無理だよ、お姉ちゃん。やだ、ずっとそばにいて！

マリア　女神さまに会えるのは、ふつう、祈祷師さまだけでしょう？

サラ　いいえ。行くわ。私、大巫女だから、きっとできるわよ。

マリア　うそ・・・危険よ。あなたまだ子供よ？

サラ　わたしをバカにしないで。お母さん、任せて。

マリア　・・・。わかったわ。そこまで言うなら。でも、私も行くわ。

リラ　わたしだって行くもん。

サラ　だめよ。だめ！リラは、お歌の練習。また３年後に女神祭あるんだし。

リラ　それはお姉ちゃんもでしょ！

サラ　よくわからないけどいいのよ。明日行くから。

マリア　一人でなんて・・・。私は絶対認めませんからね。そんなの無理よ。
女神さまには逆らえないわよ・・・。

サラ　あなた母親でしょ？！リラを助けたいと思わないの？

マリア　（いつになく怖い顔で）大きい声を出すんじゃありません！ほら、早く寝なさい！

サラ・リラ　・・・。（部屋に入る）

翌日朝・・・

サラ　行くから！

マリア　行っちゃだめよ！（言い合いに。リラ、おびえてみている）

ピンポーン。

リラ　・・・はい。だれ？

オーガスタ　（入ってくる）ちょっと、サラ！

サラ　（驚いて）オーガスタ！

マリア　どうしたの、急に。

オーガスタ　サラ、なんで言ってくれなかったの。私だって、サラと一緒に行く。おばさん、私だっているんだし、ね、いいでしょ。

サラ　（なんで知ってんの・・・？）・・・そ、そうよ。お母さん、オーガスタもこう言ってるんだから。お願い、行かせて。リラと、この村のために！

マリア　・・・。

マリア　（にっこりとほほ笑む）はあ・・・仕方ないわね。実は私、明日かしあさってに、私が一人で女神さまのところに行こうかと思ってたのよ。

サラ　お母さん、そうだったの？！

マリア　当たり前でしょ。娘の命をあきらめる親が、どこにいるの。

オーガスタ　よかったあ、モランさんから昨日のサラ一家のことを聞いて、どんだけひどい母親なんだって思ってたから。おばさん、ごめんね！

マリア　モランが？やだ、盗み聞きなんてして。・・・まあ、とにかく・・・。

サラ　行っていいの？

マリア　・・・そうよ。いいわ、行きなさい・・・ただし、うまくいかなくなったりしたときはすぐ帰ってきてね。いい、すぐよ。

サラ　女神像から女神を呼び覚ます方法は知らないけど、エリーゼの花を集めないといけないのは確かだよね。女神像の近くの花はつんじゃいけないから、山を越えたほうまで行かないと・・・。

オーガスタ　まったく、どんだけ広い村なんだよ。でも、かなり時間かかるよね・・・。仕事はそれだけなはずないから。

マリア　ほら・・・早く行きなさい。私はリラを見守ってる。うまくいくって、信じてるから・・・。

サラ　お母さん・・・！

（こうして、二人は家を離れ、エリーゼの花を集めに――――。）